CAD事務とは?「やめとけ」は嘘?仕事内容やオペレーターとの違いを解説
CAD事務とは、一般事務の業務に加えて、CADソフトの基本操作を行う仕事です。
専門的なスキルが求められる一方で、「やめとけ」といった意見が見られることもあります。
この記事では、CAD事務の具体的な仕事内容やCADオペレーターとの違い、働くメリット・デメリット、向いている人の特徴まで詳しく解説します。
未経験からの挑戦を考えている方も、仕事への理解を深めることで、不安を解消できるでしょう。
CAD事務とは|一般事務に加えてCADの基本操作も行う仕事

CAD事務(キャドじむ)とは、書類作成や電話対応といった一般的な事務作業に加え、CADソフトを使った業務を担う職種です。
主なCAD業務は、設計者が作成した図面の簡単な修正や修正指示の反映、印刷、データ管理など、設計者の補助的な役割を担います。
ゼロから図面を作成する専門的な作図作業ではなく、あくまで事務作業が中心であり、その業務の一環としてCADを操作するのが特徴です。
一般事務のスキルとCADの基本操作スキルの両方が求められるため、事務職からのキャリアアップを目指す人にも注目されています。
CAD事務とCADオペレーターの具体的な違いを比較

CAD事務とCADオペレーターは、どちらもCADを扱う職種ですが、その役割や求められるスキルには明確な違いがあります。
CAD事務は事務作業を主軸にCADを補助的に使用するのに対し、CADオペレーターは作図そのものがメイン業務です。
ここでは、業務内容、求められる専門性、給与水準の3つの観点から、両者の具体的な違いを比較して解説します。
【業務内容の違い】事務作業が中心か作図作業が中心か
CAD事務とCADオペレーターの最も大きな違いは、業務の中心が何かという点です。
CAD事務の主な業務は、電話応対、来客対応、書類作成、データ入力といった一般事務です。
CAD操作は業務の一部であり、設計者の指示に基づく図面の簡単な修正や印刷、データ管理といった補助的な作業が中心となります。
一方、CADオペレーターはCADソフトを使って図面を作成・修正する作図作業そのものがメインの業務です。
設計者の指示に従い、専門的な図面をゼロから作成したり、複雑な修正を行ったりします。
【求められる専門性】補助的な操作か専門的な作図か
求められる専門性においても、両者には違いがあります。
CAD事務に求められるのは、CADソフトの基本的な操作スキルです。
具体的には、図面データのファイル形式を変換したり、簡単な修正を加えたり、印刷設定を調整したりといった補助的な操作ができれば十分な場合が多くあります。
それに対してCADオペレーターには、単なるソフトの操作技術だけでなく、作図に関する専門的な知識やスキルが不可欠です。
設計図を正確に読み解く能力や、業界のルールに則って効率的に作図を進める高度な技術が求められます。
【給与水準の違い】一般事務よりは高くオペレーターよりは低い傾向
給与水準は一般的に一般事務、CAD事務、CADオペレーターの順で高くなる傾向にあります。
CAD事務は一般事務の業務に加えてCAD操作という専門スキルが求められるため一般事務職よりも給与が高く設定されることが多いです。
ただし専門的な作図をメイン業務とするCADオペレーターと比較すると補助的な役割が中心であるため年収はオペレーターよりは低い水準になることが一般的です。
スキルや経験によって給与は変動しますがこの傾向を把握しておくと良いでしょう。
CAD事務の具体的な仕事内容

CAD事務の仕事は、一般事務の業務とCAD関連の業務に大別されます。
設計部門や技術部門に所属し、設計者やエンジニアのサポート役を担うことが多いのが特徴です。
ここでは、書類作成や電話対応から、CADを使った図面修正、データ管理、関係者との連携まで、CAD事務が担当する具体的な仕事内容を4つの項目に分けて解説します。
書類作成や電話・来客対応などの一般事務業務
CAD事務の業務の基本は、一般的な事務作業です。
WordやExcelを使用して、会議の議事録、見積書、請求書、各種申請書類などを作成します。
また、部署にかかってくる電話の取次ぎや、来客時の案内・お茶出しといった対応も担当します。
その他にも、備品の管理・発注や郵便物の仕分け、ファイリングなど、所属する部署の円滑な運営を支えるための庶務的な業務も幅広く行います。
これらの業務は、CADを扱う専門部署であっても、組織の一員として欠かせない役割です。
CADを使った図面の簡単な修正や朱書きの反映
CAD事務の特色が最も表れる業務が、CADソフトを用いた図面の修正作業です。
設計者が作成した図面に対して、修正箇所を赤字で書き入れた「朱書き」と呼ばれる指示書を基に、寸法やテキスト、線の種類などを修正します。
ゼロから新しい図面を作成するのではなく、既存の図面を指示通りに手直しする作業が中心です。
この業務は、正確さとスピードが求められ、設計者が本来の設計業務に集中できるようサポートする重要な役割を担っています。
使用するCADソフトは業界や企業によって異なります。
図面の印刷やファイリングといったデータ管理業務
図面データの管理もCAD事務の重要な仕事の一つです。
完成した図面や修正後の図面を、指定されたサイズや形式で印刷(出力)し、関係者に配布します。
また、日々作成・更新される膨大な量のCADデータを、ルールに基づいて分類・整理し、サーバーや専用のシステムに保存・管理します。
必要な時に誰でも迅速に正しい図面データを取り出せるようにしておくことは、業務効率を大きく左右します。
図面のバージョン管理やバックアップ作業なども含まれる場合があります。
設計者や営業担当との連携やスケジュール調整
CAD事務は、設計者やエンジニアだけでなく、営業担当者や他部署の社員とも頻繁に連携を取ります。
設計者からは図面修正の指示を受け、内容に不明な点があれば確認を行います。
また、営業担当者から顧客に提出する図面の準備を依頼されたり、部署内のスケジュール調整を任されたりすることもあります。
関係者との円滑なコミュニケーションを通じて、業務がスムーズに進むように橋渡しをする役割です。
正確な情報伝達と丁寧な対応が求められます。
CAD事務は「やめとけ」「きつい」と言われる4つの理由と実態

CAD事務は専門スキルが身につく魅力的な仕事ですが、「やめとけ」「きつい」といった声も聞かれます。
これらの意見は、専門性の高い業務ならではの難しさや、業務の幅広さに起因することが多いようです。
ここでは、ネガティブな意見が生まれる4つの理由を挙げ、それぞれの実態について解説します。
仕事選びのミスマッチを防ぐためにも、大変な側面を理解しておくことは重要です。
理由①:専門用語が多く覚えることが大変に感じるから
CAD事務が働くのは、建築、機械、土木といった専門的な業界がほとんどです。
そのため、業務を進める上で、業界特有の専門用語や図面記号、規格などを覚える必要があります。
未経験からこの業界に飛び込んだ場合、最初は設計者や営業担当者の会話についていけず、戸惑うことがあるかもしれません。
しかし、これらの知識は日々の業務を通じて自然と身についていくものです。
最初は大変に感じても、実務をこなすうちに理解が深まり、スムーズに業務を行えるようになります。
理由②:ミリ単位の正確性が求められプレッシャーを感じるから
CADで扱う図面は、製品や建築物の設計の基になるため、ミリ単位の精度が求められます。
寸法や数値の入力ミス、線の引き間違いなど、わずかな誤りが後工程で大きな問題に発展しかねません。
そのため、作業中は常に高い集中力と正確性が要求され、その責任の重さからプレッシャーを感じる人もいます。
ただし、多くの職場では、設計者によるダブルチェックやチェックリストの活用など、ミスを防ぐための仕組みが整えられています。
一人ですべての責任を負うわけではない場合がほとんどです。
理由③:長時間のデスクワークで体力的にきついと感じるから
CAD事務の仕事はそのほとんどがパソコンに向かうデスクワークです。
一日中同じ姿勢で画面を見続けるため、肩こりや腰痛、眼精疲労といった身体的な不調を感じやすくなります。
特に納期が迫っている時期は、長時間集中して作業を続ける必要があり、体力的な負担が大きくなることもあります。
これはCAD事務に限らず多くのデスクワークに共通する悩みであり、意識的に休憩を取ったり、ストレッチをしたりするなど、自己管理によって負担を軽減することが可能です。
理由④:業務の幅が広くマルチタスク能力が求められるから
CAD事務は、CAD操作と一般事務の両方を担当するため、業務の範囲が多岐にわたります。
図面の修正作業中に電話が鳴ったり、来客対応をしたりと、複数の業務を同時に、あるいは頻繁に切り替えながら進める場面が多くあります。
一つの作業に集中したい人にとっては、こうした状況がストレスに感じられるかもしれません。
一方で、幅広い業務を効率的にこなすマルチタスク能力が身につき、臨機応変な対応力が養われるという側面もあります。
未経験からでも目指せる!CAD事務として働く4つのメリット

CAD事務は、未経験からでも挑戦しやすい職種でありながら、多くのメリットがあります。
一般事務からのキャリアアップを目指す人や、専門スキルを身につけたい人にとって魅力的な選択肢です。
ここでは、給与面での優位性やキャリア形成の可能性、仕事のやりがい、そして活躍できる業界の広さという4つのメリットについて、具体的に解説していきます。
- メリット①:一般事務よりも給与が高い傾向にある
CAD事務は、一般的な事務職のスキルに加えて、CADソフトの操作という専門スキルが求められます。この付加価値があるため、一般事務と比較して給与水準が高い傾向にあります。
企業によっては、基本給に加えてスキル手当が支給されることもあり、専門性を収入に反映させやすい職種です。 - メリット②:専門スキルを身につけてキャリアアップできる
CADの操作スキルは、一度身につければ様々な業界で通用するポータブルな専門スキルです。
CAD事務として実務経験を積むことで、より専門性の高いCADオペレーターを目指したり、設計補助へとステップアップしたりと、将来のキャリアパスが大きく広がります。 - メリット③:ものづくりの一端を担える達成感を得られる
CAD事務は、設計者のサポート役として、製品や建築物などが形になるまでのプロセスに深く関わります。
自分が修正した図面が、最終的に多くの人々の目に触れる自動車や家電、あるいは地図に残るような建築物になることもあります。 - メリット④:建築・土木・機械など幅広い業界で活躍の場がある
CADは特定の業界だけでなく、非常に幅広い分野で活用されているツールです。
建築、土木、機械、自動車、航空機、電気・電子機器、インテリア、アパレルなど、その用途は多岐にわたります。
そのため、CAD事務の求人も様々な業界に存在し、自分の興味や関心に合わせて活躍の場を選ぶことが可能です。
CAD事務に向いている人の特徴
CAD事務の仕事は、事務処理能力とCADの基本操作スキルに加え、特定の適性が求められます。
地道な作業への集中力や、ものづくりへの関心、そして周囲をサポートする姿勢などが、この仕事で活躍するための重要な要素となります。
ここでは、どのような人がCAD事務に向いているのか、具体的な特徴を4つの観点から解説します。
自身の性格や興味と照らし合わせてみてください。
地道な作業や細かい作業を黙々と進められる人
CAD事務の業務には、図面の修正やデータ入力、書類のファイリングなど、正確さが求められる地道な作業が多く含まれます。
特に図面の修正では、ミリ単位の違いも見逃さない集中力と丁寧さが必要です。
大きな変化が少ない作業であっても、コツコツと黙々と取り組むことが苦にならない人は、この仕事に向いています。
細かい部分にまで気を配り、丁寧に仕事を仕上げることにやりがいを感じられる性格が活かされます。
ものづくりや設計のサポート業務に興味がある人
CAD事務は、自らが設計者としてクリエイティブな作業をするわけではありませんが、製品や建築物が生まれるプロセスを間近で支える仕事です。
そのため、デザインや設計、ものづくりそのものに興味や関心がある人にとっては、非常にやりがいのある環境です。
設計者をサポートする役割に徹し、チームの一員としてプロジェクトの成功に貢献したいという気持ちがある人は、CAD事務として大きな満足感を得られるでしょう。
縁の下の力持ちとして輝ける仕事です。
周囲の状況を把握してサポートするのが得意な人
この仕事は、設計者やエンジニアが本業に集中できるようサポートする役割を担います。
そのため、常に周囲の状況に気を配り、次に何が必要になるかを予測して先回りして行動できるような、気配り上手な人が向いています。
指示された業務をこなすだけでなく、「この資料も必要かもしれない」「早めにこの作業を終わらせておこう」といった主体的なサポートができると、周囲から頼りにされる存在になります。
チームワークを大切にし、人の役に立つことに喜びを感じる人に適しています。
新しい知識やPCスキルを学ぶことに意欲的な人
CAD事務として働く上では、CADソフトの操作方法はもちろん、配属される業界の専門知識や新しいPCツールの使い方など、常に新しいことを学ぶ姿勢が求められます。
CADソフトも定期的にバージョンアップされるため、変化に対応していく柔軟性が必要です。
知的好奇心が旺盛で、新しい知識やスキルを習得することに前向きな人は、CAD事務として成長し続けることができます。
自身のスキルアップに意欲的な人にとって、最適な職種の一つです。
CAD事務に求められるスキルや有利になる資格

CAD事務として活躍するためには、いくつかのスキルや資格が役立ちます。
基本的なPCスキルやコミュニケーション能力は必須ですが、それに加えてCAD関連のスキルや資格があれば、就職や転職活動を有利に進めることができます。
【必須スキル】WordやExcelなどの基本的なPC操作スキル
CAD事務は事務職であるため、WordやExcelといったOfficeソフトの基本的な操作スキルは必須です。
Wordでのビジネス文書作成、Excelでのデータ入力や表作成、SUM関数などの基本的な関数の使用は、日常業務で頻繁に求められます。
また、メールの送受信やファイルの管理といった、一般的なPC操作にも習熟している必要があります。
これらのスキルは、CAD操作以前に、事務職としての土台となる重要な能力です。
【必須スキル】設計者や他部署と円滑に進めるコミュニケーション能力
設計者からの指示を正確に理解し、不明点を確認したり、他部署との連携を取ったりするために、円滑なコミュニケーション能力は不可欠です。
相手の話を正しく聞き取り、自分の意図を分かりやすく伝える力が求められます。
特に、専門的な内容を含む指示を受けることも多いため、報告・連絡・相談を徹底し、認識のズレを防ぐことが重要です。
周囲と協力しながら仕事を進める協調性も、チームの一員として働く上で欠かせないスキルとなります。
【CADスキル】未経験でも基本操作は習得しておくと安心
未経験者歓迎の求人もありますが、採用の可能性を高めるためには、事前にCADの基本操作を習得しておくことが望ましいです。
基本的な図形の描画、寸法記入、文字入力、レイヤーの概念の理解など、基礎的な知識とスキルを身につけておくだけで、仕事への意欲をアピールできます。
学習方法としては、職業訓練校や民間のCADスクール、オンライン講座などがあります。
無料のCADソフトもあるため、まずは独学で触れてみるのも一つの方法です。
【有利になる資格】CAD利用技術者試験でスキルを証明する
CADの知識やスキルレベルを客観的に証明したい場合、「CAD利用技術者試験」の取得が有効です。
この試験は、CADシステム全般に関する知識を問うもので、特に「2次元CAD利用技術者試験」は知名度が高く、多くの企業で評価されます。
基礎、2級、1級とレベルが分かれており、未経験者はまず基礎や2級の取得を目指すと良いでしょう。
資格を持っていることで、CADスキルを体系的に学んだことの証明となり、選考において有利に働くことがあります。
【有利になる資格】建築CAD検定試験で建築分野の知識を示す
建築業界のCAD事務を目指すのであれば、「建築CAD検定試験」が有利になる場合があります。
この試験は、建築図面の作図に特化した内容で、準1級、2級、3級、4級のレベルがあります。
実技試験が中心で、建築図面をCADで描く能力が直接問われるため、より実践的なスキルをアピールすることが可能です。
建築業界への就職・転職を目指す際に、専門分野への強い関心と即戦力となりうるスキルを示す上で効果的な資格です。
CAD事務に関するよくある質問

CAD事務の仕事に興味を持った方が抱きやすい疑問について、Q&A形式で解説します。
未経験からの挑戦の難易度や、求人の探し方、年齢に関する不安など、キャリアを考える上で気になるポイントをまとめました。
これらの回答を通じて、CAD事務への転職に関する具体的な疑問や不安を解消しましょう。
未経験からCAD事務になるのは難しいですか?
未経験からCAD事務を目指すことは十分に可能です。
求人の中には「未経験者歓迎」のものも多く、補助的な業務からスタートできる企業も少なくありません。
ただし、全くの未経験よりも、基本的なPCスキルやCADの基礎知識を事前に学習しておくと、採用の可能性は高まります。
難しいと感じるかは個人の適性にもよりますが、学習意欲があれば挑戦できる職種です。
CAD事務の求人はどのように探せば良いですか?
求人サイトで「CAD事務」と検索する方法が一般的ですが、派遣会社に登録するのも効果的な探し方です。
派遣会社はCAD関連の求人を専門的に扱っている場合が多く、非公開求人を紹介してもらえる可能性もあります。
また、スキルや経験に合った職場を提案してくれたり、CAD研修制度が整っていたりするメリットもあるため、未経験者にとっては心強いサポートが受けられます。
40代・50代からでもCAD事務に挑戦できますか?
40代・50代からでもCAD事務に挑戦することは可能です。
この職種では年齢よりも、正確な事務処理能力やコミュニケーション能力といった実務スキルが重視される傾向にあります。
これまでの社会人経験で培ったビジネスマナーや対応力は大きな強みになります。
未経験の場合はCADの基礎を学ぶ必要がありますが、意欲次第で十分にキャリアチェンジを目指せます。
まとめ
CAD事務は、一般事務のスキルを基盤としながら、CAD操作という専門スキルを加えて設計やものづくりの現場を支える仕事です。
作図がメインのCADオペレーターとは異なり、事務作業を中心に補助的なCAD操作を担います。
専門用語の習得や正確性が求められる一方で、未経験からでも挑戦しやすく、一般事務よりも高い給与水準やキャリアアップの可能性といったメリットがあります。
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