CAD利用技術者試験とは?難易度・合格率から勉強法、仕事での活かし方まで解説

      
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CAD利用技術者試験とは、CADを扱う技術者の能力を証明するための重要な資格です。
この記事では、試験の概要から具体的な難易度や合格率、効果的な勉強方法、さらには取得した資格が仕事や就職の場でどのように活かせるかまでを網羅的に解説します。

CADのスキルを客観的に示したい方や、キャリアアップを目指す方にとって、この試験は有力な選択肢の一つとなります。

目次

CAD利用技術者試験とは?まずは概要をわかりやすく解説

OKしている女性

CAD利用技術者試験とは、一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)が主催する民間資格であり、CAD操作のスキルや知識を客観的に証明するものです。
国家資格ではありませんが、CAD関連の資格としては知名度が高く、取得には大きな意味があります。

同様の資格に建築CAD検定試験がありますが、こちらは建築分野に特化しているのに対し、CAD利用技術者試験は機械や建築など幅広い分野の汎用的な知識が問われるのが特徴です。
試験はCBT方式を採用しており、全国の会場で自分の都合に合わせて受験できるメリットがあります。

試験は大きく2種類!2次元と3次元CADの各級レベルを解説

4ステップ

CAD利用技術者試験は、作図する次元によって大きく2種類に分けられます。
一つは、平面的な図面を作成する「2次元CAD利用技術者試験」、もう一つは立体的なモデルを作成する「3次元CAD利用技術者試験」です。

それぞれの試験には複数の級(レベル)が設定されており、2次元(2D)は基礎、2級、1級、3次元(3D)は2級、準1級、1級が存在します。
自身のスキルレベルや業務で求められる内容に応じて、受験する種類や級を選択することが可能です。
これから学習を始める方は2次元から、製造業などで三次元設計に携わる方は3次元を目指すのが一般的です。

2次元CAD利用技術者試験(基礎・2級・1級)で問われるスキル

2次元CAD利用技術者試験では、級に応じて異なるスキルが求められます。
基礎試験では、CADの初歩的な知識や図面の基本的な内容が問われ、CADを学ぶ学生や初学者向けです。

2級は、CADシステムや製図に関する知識に加え、作図・編集・印刷などの実践的な操作能力が筆記試験で試されます。
最上位の1級は、手書きの図面を正確にトレースする能力が問われる実技試験が中心となり、使用するCADソフトは問いません。
より実践的で高い作図技術と知識の証明になります。

3次元CAD利用技術者試験(2級・準1級・1級)で問われるスキル

3次元CAD利用技術者試験では、立体的なモデリング能力が問われます。
2級は3次元CADの概念や機能、モデリング手法に関する知識を問う筆記試験です。
準1級は、与えられた2次元図面から正確な3Dモデルを作成するモデリング能力と、体積や表面積を算出する能力が実技試験で試されます。

最上位の1級は、複数の部品を作成して組み立てるアセンブリモデリングや、機構を考慮した設計能力など、より高度で複雑な3次元設計スキルが求められます。
製造業やプロダクトデザインの分野で活躍するための実践的な技術力の証明となります。

【級別一覧】CAD利用技術者試験の難易度と合格率の目安

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※画像は比率を統一して表示しています

CAD利用技術者試験の難易度は、受験する級や種類によって大きく異なります。
一般的に、基礎や2級は基本的な知識を問われるため比較的易しく、合格率も高い傾向にあります。
一方で、1級や準1級は実技試験が中心となり、より専門的で実践的なスキルが求められるため、難易度は上がり合格率も低くなります。

一概に難しいとは言えず、自身のレベルや学習状況に合わせて適切な級を選択することが重要です。

2次元CAD利用技術者試験の合格率

2次元CAD利用技術者試験の合格率は、級によって差があります。
基礎試験は例年70%前後で推移しており、CADの入門レベルとして挑戦しやすい水準です。

2級の合格率は、およそ50%〜60%程度で、基礎知識と作図の基本をしっかり学習すれば十分に合格を狙えます。
一方、実技試験が課される1級は、建築・機械・トレースの部門ごとに実施されますが、全体の合格率は35%〜55%前後となります。
高い作図技術と正確性が求められるため、2級に比べて難易度が上がります。

3次元CAD利用技術者試験の合格率

3次元CAD利用技術者試験の合格率は、2級が約70%と高く、3次元CADの基礎知識を問う試験として、比較的合格しやすいレベルに設定されています。

準1級になると実技試験が加わり、合格率は約50%前後まで下がります。
2D図面から3Dモデルを正確に作成するスキルが求められます。
最上位の1級は、複数の部品を組み合わせるアセンブリなど高度な技術が必要となるため、合格率は約40%前後とさらに低くなります。
専門性の高いスキルが要求されるため、十分な対策が必要です。

合格に必要な勉強時間の目安

合格に必要な勉強時間は、個人のCAD知識や実務経験によって大きく変動します。
全くの初心者が2次元CAD利用技術者試験2級を目指す場合、一般的に50時間から100時間程度の勉強が目安とされています。
CADの基本操作を習得し、専門用語や製図のルールを覚える時間が必要です。

実技が伴う1級や3次元の上位級を目指す場合は、これらの学習時間に加えて、実際にCADソフトを操作する練習時間が数十時間以上必要になります。
自身の現在のスキルレベルを把握し、余裕を持った学習計画を立てることが重要です。

CAD利用技術者試験の受験要項まとめ

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CAD利用技術者試験の受験を検討する際には、試験スケジュールや費用、申し込み方法などの受験要項を正確に把握しておく必要があります。
特に試験会場や日程は級によって異なるため、事前の確認が不可欠です。

公式サイトで最新の情報を確認し、申し込みから合格発表までの流れを理解した上で、計画的に準備を進めましょう。

試験日程と会場の確認方法

試験日程は級によって異なります。
2次元1級および3次元の準1級・1級は、年に2回(前期・後期)特定の日程で実施されます。
具体的な試験日は公式サイトで発表されるため、定期的な確認が必要です。

一方で、2次元基礎・2級および3次元2級は、CBT(Computer Based Testing)方式が採用されており、全国に設置された試験会場の中から、都合の良い日時を選択して受験できます。
最新の日程や試験会場の空き状況は、試験実施団体のCBT-Solutionsの公式サイトにあるマイページから確認・予約します。

受験資格は級によって異なるので注意が必要

CAD利用技術者試験の受験資格は、ほとんどの級で学歴や実務経験が問われないため、高校生から社会人まで幅広く挑戦できます。
2次元の基礎・2級、3次元の2級には特別な受験資格はありません。

ただし、上位級には条件が設定されています。
例えば、2次元1級を受験するためには2級の合格者である必要があり、3次元の準1級・1級を受験するためには、それぞれ下位の級(準1級には2級、1級には準1級)に合格していることが条件です。
条件を満たしていれば、複数の級の併願も可能です。

各級の受験料一覧

CAD利用技術者試験の受験料は、級や一般、学生の区分によって異なります。
2次元基礎は4,400円、2級は6,050円、1級は16,500円です。
3次元2級は7,700円、準1級と1級はそれぞれ16,500円となっています。

また、学生の場合は割引が適用され、2次元2級は4,070円、3次元2級は5,500円で受験可能です。
これらの費用は改定される可能性もあるため、申し込みの際には必ず公式サイトで最新の正確な情報を確認してください。

申し込みから合格発表までの全体の流れ

試験の申し込みは基本的に試験実施団体である「CBT-Solutions」のウェブサイトから行います。
サイトでアカウントを作成後希望する試験、級、会場、日時を選択して申し込み手続きを進めます。
1級や準1級など下位級の合格が受験資格となる場合は申し込み時に合格した際の認定番号の入力が必要です。

試験後CBT方式の試験は即時または後日マイページで結果が分かります。
合格者には後日合格証明書が郵送されます。
この証明書が資格取得の証明となります。

合格を勝ち取るための具体的な試験対策と勉強法

右下を向いている女性

CAD利用技術者試験に合格するためには、計画的な対策と効率的な勉強方法が不可欠です。
特にCAD初心者の方が独学で合格を目指すには、学習ステップを正しく理解し、適切な教材を選ぶことが重要になります。

自身のスキルレベルや学習スタイルに合わせて、独学、スクールの活用など最適な方法を選択し、試験に臨みましょう。

独学で合格を目指すための学習ステップ

独学で合格を目指す場合、まずは公式ガイドブックを熟読し、試験範囲全体の知識を体系的にインプットすることから始めます。
CADシステムの基本機能や製図のルール、関連用語などを一通り理解しましょう。

次に、過去問題集に取り組み、実際の問題形式や出題傾向を把握します。
間違えた問題は解説を読んで完璧に理解し、弱点を克服していくことが重要です。
実技試験がある級では、実際にCADソフトを使い、制限時間内に正確な図面を作成する練習を繰り返し行うことが合格への鍵となります。

必須教材!公式ガイドブックと過去問題集の活用法

試験対策において、主催団体が発行する公式ガイドブックと過去問題集は必須の教材です。
公式ガイドブックは試験範囲を網羅した唯一の公式テキストであり、基礎知識の習得や試験で問われるポイントを正確に理解するために不可欠です。
まずはこの参考書を読み込み、全体像を把握しましょう。

過去問題集は、実際の問題形式に慣れるだけでなく、時間配分の感覚を養うために活用します。
何度も繰り返し解くことで出題傾向を掴み、知識を定着させることができます。
公式サイトで公開されているサンプル問題や解答枠も併せて活用すると効果的です。

効率的に学びたいならスクールや通信講座も選択肢に

独学での学習に不安を感じる方や、短期間で効率的に合格を目指したい場合は、専門のスクールや通信講座の利用が有効な選択肢となります。
スクールでは経験豊富な講師から直接指導を受けられるため、疑問点をその場で解消しながら学習を進められます。

また、体系化されたカリキュラムに沿って学ぶことで、初心者でも挫折しにくいというメリットがあります。
通信講座は、自分のペースで学習を進めつつ、添削指導などのサポートを受けられるのが特徴です。
定期的な講習は、学習のモチベーション維持にもつながります。

資格取得は就職に有利?仕事で活かせる場面を紹介

オフィスで働いている男女

CAD利用技術者試験の資格取得は、就職や転職活動において有利に働く場面が多くあります。
「資格は意味ない」という声も一部にはありますが、CADスキルを客観的に証明する指標として、特に実務未経験者にとっては大きなメリットとなります。

自身の能力を具体的に示すことで、採用担当者に対して学習意欲やポテンシャルを効果的にアピールできます。
求人応募の際にも、資格保有が条件となっているケースもあります。

CADオペレーターや設計職への就職・転職でスキルを証明できる

建築、機械、自動車、インテリアといった幅広い業界で、CADオペレーターや設計者、設計補助などの職種への就職・転職を目指す際に、この資格は自身のスキルを客観的に証明する強力な武器となります。

特にAutoCADなどの特定のCADソフトの操作スキルに加えて、この資格を保有していることで、製図の基礎知識やCADシステムに関する体系的な理解があることをアピールできます。
履歴書や面接で具体的なスキルレベルを示せるため、他の候補者との差別化につながります。

実務未経験からキャリアをスタートするきっかけになる

実務経験がない状態でCAD関連の職種への転職を目指す場合、この資格は大きな強みとなります。
企業側は、未経験者を採用する際に学習意欲や潜在能力を重視しますが、資格を取得していることは、その分野への関心の高さと自発的に学ぶ姿勢を示す有力な証拠です。

資格取得の過程で得た知識は、入社後の研修や実務にスムーズに適応するための土台となり、キャリアを円滑にスタートさせるきっかけになります。
未経験から新しい分野へ挑戦する際の自信にもつながるでしょう。

CAD利用技術者試験に関するよくある質問

FAQ

ここでは、CAD利用技術者試験に関して受験を検討している方から寄せられることが多い質問とその回答をまとめています。
受験前の疑問や不安を解消するための補足情報として参考にしてください。

実務経験がなくても受験できますか?

はい、実務経験がなくても受験できます。
CAD利用技術者試験の多くの級では、学歴や実務経験といった受験資格は問われません。

CADの学習を始めたばかりの学生や、これからキャリアチェンジを目指す初学者でも挑戦しやすい資格です。

どの級からチャレンジするのがおすすめですか?

CAD初心者の方は、2次元CAD利用技術者試験2級からの受験がおすすめです。
CADの基礎知識や作図の基本が網羅されているため、学習の第一歩として最適です。

実務経験者や3D設計のスキルを証明したい方は、3次元CAD利用技術者試験2級から始めると良いでしょう。

履歴書にはどのように記載すれば良いですか?

履歴書の免許・資格欄には、取得年月を明記の上、「2次元CAD利用技術者試験〇級合格」のように正式名称で記載します。
主催団体である「一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP)」を併記すると、より丁寧な印象になります。

まとめ

CAD利用技術者試験は、CADに関する体系的な知識とスキルを客観的に証明するための民間資格です。
試験は2次元と3次元に大別され、それぞれに複数のレベルが設定されているため、自身のスキルや目的に合わせて挑戦できます。

資格を取得することは、就職や転職活動で有利に働くだけでなく、実務においても自身の技術力を示す指標となります。
公式ガイドブックや過去問題集を活用し、計画的に学習を進めることが合格への道筋です。

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この記事の監修者
宮脇 基
株式会社アペックス 管理部門担当

新卒で地方銀行に入行し、金融実務を通じた高いコンプライアンス意識と管理能力を習得。その後、人材派遣業界へ転身し、2016年2月より株式会社アペックスに参画。

現在は管理部門において、経理・総務に加え、CAD・技術者派遣の要となる採用業務に深く従事している。派遣法をはじめとする業界知識に加え、ファイナンシャルプランナー(FP)の資格を保有。単なる人材マッチングにとどまらず、求職者のキャリア形成や生活設計を支える多角的な視点を持つ。長年の管理・採用経験を活かし、技術者と企業の双方が安心して働ける環境づくりと、正確で信頼性の高い情報発信に努めている。

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